何がハッピーなのかわかりませんがハッピーハロウィン!
毎年スルーするイベントですがこのぐらいやってやる!とばかりに超SS書きました。
超カオスSSかもしれませんが。
2年前に見た、魔女コスのちっちゃい女の子が可愛すぎて忘れられない(おまわりさん早く来て!)
毎回書いてますが、この世界の「聖人祭」イベントはこの世界定義。
「ん?」
机にかけて書きものをしていた群青(ぐんじょう)は、自分へと向けられる眼差しに気がついて目を上げる。
群青の腰の部分に届かないほどに頭がある。その頭はカボチャにかたどられていた。
今日はジャックの聖人祭。もともとは様々な衣類、服飾で盛り上がるというのが祭りの趣旨だが、まつられる聖人に倣って不気味だったり奇矯な仮装を楽しむものが大半だ。
悪いもの怖いものに紛れつつ、子供たちはお菓子をねだる。戦利品を持ち寄った小さな異形たちは一晩限りのパーティーを楽しむというわけ。
まあ、こちらは完全にあとづけ。楽しい祭りには甘い菓子がつきものと、大人たちは微笑ましく見守るわけだ。
「どこのカボチャさんかな」
群青はペンを持つ手を止め、見上げてくるカボチャ頭をのぞき込んだ。ご丁寧に黒のマントを着て、服がわからないようにしている。
ほんとうは、この家にいる小さなものはひとりだけなのでその正体は知れているのだけど。
「……」
カボチャはいつもそうする癖のように、小さな手をいっぱいに伸ばして群青にしがみつく。抱き上げてやると首に両手が回される。
「俺に何かあったんじゃないの」
カボチャは表情のわからないまま、それでも困ったように首をかしげる。
「……」
とりっくおあとりーと、この子はみっつを過ぎるまで口がきけなかったのだけど、今ではそれぐらいは言えるはずだ。
「…そうか、そうかなあ」
群青は考えてみる、幼児の辿ってであろう思考。
「俺にイタズラしたくないのか」
こくんとカボチャの頭が傾く。
「かわいいなあ、あんまり可愛いから他の叔父ちゃんと叔母ちゃんの分もお菓子食べていいぞ」
「……」
ぷるぷると必死の拒絶がある。群青は笑みを深めてカボチャ頭の眉間にキスをする。
この子のことだから、自分の分の菓子さえ分け合って、みんなで一緒に食べたいに決まっているのだから。
フライング伯父ちゃんと幼児。
子供は喋れますがどっちかというと無口。
伯父ちゃんの小さい子供好き具合が以上。
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